セルジーン買収劇について
正直何もできません。
賛否両論で今後の展開が読めないからです。
情報があちらこちらから出てきて正直追いつけていませんが、ザックリと状況を整理してみます。まだ分からないことが多いので間違ってたらすまぬ。
買収に対する市場の反応
今回の買収に対し懐疑的な意見が多いようです。
買収額自体は740億ドルですが、CELGの負債も含めると合計で950億ドル規模になります。
さらに、CELGの売り上げの63%を占めるレブラミドは2022年で特許切れを迎え、2025年以降はその影響をモロに受けることが予想されます。
この辺は大きなマイナス要素ととらえられているようです。
一部のアナリストにいたっては、BMYに具体的な目的があるわけではなく何か大きなことをしたかっただけではないかと発言しています。
アホか。そんな曖昧な理由でこんな巨額の買収を仕掛けるわけがないでしょう。そんなの株主にどう説明するんですか?これだからアナリストの意見はあてにならない。
ちなみにBMYがこの買収を反故にした場合、22億ドルをCELGに支払わなくてはなりません。ただ、買収額が額なだけに、場合によってはちゃぶ台返しもあり得るのか?
↑ 私の英語力不足による勘違いです。すまぬ。
一方で、CELGの株主に対して今回の買収条件が公正かどうかについても議論の余地があるようです。
今回BMY側はCELGを1株当たりに53.7%相当(前日の終値66.64ドルに対し102.43ドル)のプレミアをつけました。
しかし、この価格設定に対し安すぎるのではないか?と見る向きもあります。私もそうですから。
そもそも52週の高値は109.98ドルであり、アナリストによるもっとも高い目標株価が163ドルであることを踏まえれば、この辺の根拠をしっかり洗い、BMYの提示したプレミアが適切かどうか調査すべきである、という理屈はまあ分かります。てか、もしこれで異議があった場合どうなるんでしょ?まったく分からんとです。
何となくCELGホルダー vs BMYホルダーの構図が見えますよね。私は前者なのでイケイケドンドンだけどBMYホルダーは荒ぶっているに違いありません。
個人的な意見
いや、アリでしょう!
CELGはレブラミドの特許切れを控え、BMYは主力のオプジーボがメルクのキイトルーダに押され、思うように売り上げが伸びていません。だったらとっとと合併して資金を一か所にまとめて効率的に新薬開発に励んでいただきたい。
それぞれが持っているパイプラインは魅力的で、特に固形癌、血液癌の治療薬ラインナップがそうそうたる顔ぶれとなり、オンコロジー分野での存在感が確実に増すと思うのです。
ちなみにEvaluatePharmaによれば、オンコロジー分野の総売上高は今後5年で1,039.88億ドル → 2,329.89億ドルと年率12%で拡大していく見込みであることから、この領域でシェアを勝ち取ることができれば株主に多大な利益をもたらすんじゃないかと期待しています。
今後の戦略(私の妄想)としては、BMYのオプジーボとヤーボイ、CELGのレブラミドとポマリストで当面はやりくりし、近いうちに上市を予定している6剤*でその先の利益を確保します。
*TYK2、ozanimod、luspatercept、liso-cell、bb2121、fedratinib
そしてその利益をPhaseⅢの10種、PhaseⅠ、Ⅱの50種のパイプラインに投資して更なる利益を稼いでほしい!(という願望)
正直、甘めに見積もってもPhaseⅠ、Ⅱの7~8割はⅢに進めないだろうけど…
最後は適当になってしまったがまだ調べ切れておりません。ホルダーとして今後じっくり分析していくことにします。
ちょっと気がかりなのは、多発性骨髄腫のbb2121かな。これってアムジェンのAMG420と競合するんですよね。昨年の血液学会で良好なデータを出してたからなぁ。とはいえAMG420(二重特異性抗体)とbb2121(CAR-T療法)は作用機序が違うし、なんやかんや棲み分けしてくれるとありがたい。
終わりに
それにしても今回の大型買収には驚いた。武田のシャイアー買収もそうでしたが、今後は各社生き残りをかけてM&Aが活発になるのかもしれません。買収されそうなバイオベンチャーを探して投資するってのも面白いかも?
ちょっと投機的だけどVRTXやALXNあたりなんてどうでしょうかね。
てか、こんなこと言ってる間に自分の会社が買収されたりして。
ん?フラグ立てちゃいましたかね?